痙攣性発声障害疾患レジストリ研究

痙攣性発声障害疾患レジストリ研究痙攣性発声障害疾患レジストリ研究

研究者の方へ:研究概要

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1.背景

痙攣性発声障害は、喉頭に器質的異常や運動麻痺を認めない発声障害の一つで、発声時に内喉頭筋の不随意的、断続的な痙攣による発声障害をきたす疾患である。本症は局所性ジストニアに分類され、疫学的には20歳から40歳の若年者に多く、男女比は約1:3から1:5で女性に多いとされる。有病率については海外では人口10万人あたり1.0人と報告があり、本邦では大規模な疫学調査はないが、2001年に全国の主要な医療機関へのアンケート調査をもとにした推計では人口10万人あたり0.94人と報告されている。本症は内転型と外転型に分類されるが、このうち内転型が約95%と多数を占める。内転型では発声時に声帯が不随意的、断続的に強く内転することで発声時の呼気流が断続され、その結果、声が途切れ、円滑さを欠く。また締め付けられるような、或いは絞り出すような努力性発声も呈す。一方、外転型は発声時に声門が不随意的に開大することで断続的な息漏れ声、声の翻転、失声を呈す。その結果、いずれの型においても仕事や日常生活において会話が円滑に行えず、仕事を辞めざるをえなかったり、人との接触を避けるようになったり、電話に出ることをためらったりするなど、患者にとっては社会生活を送る上で大きな支障をきたす。

2.痙攣性発声障害の疫学、エビデンス

兵頭等は、全国655施設に対して痙攣性発声障害の実態調査を実施し、2年間に全国で887例の痙攣性発声障害の新規患者がいることを報告している。本実態調査によって、痙攣性発声障害の新規患者数は同定されたものの、実際の患者数は不明である。

3.研究の目的

痙攣性発声障害の患者数、患者の背景情報、治療情報を把握し、将来的に新しい治療法の開発や確立に貢献する。

4.研究の意義

痙攣性発声障害について、病因・病態の解明、診断・治療・予防法の開発を推進するために、痙攣性発声障害患者のデータ収集を行い、患者や治療に関する情報を集約することで、今後の病態解明及び治療研究を推進することが可能となる。